ゴルフ – スイング時の意識と実際のギャップ

By | 2024年9月2日

ずっと前から、家でアイアンでプラスチックボールを打ってショット練習したりしてたのですが、随分前からそのショットの様子をスマホで撮ったりしていました。最初は全く気づかなかったのですが、飛球線後方からの映像で最近、ヘッドの動きのバックスイングの軌道がインサイドに入り、ループしてアウトサイドからのダウンスイング軌道になっていることに気づきました。これに気づいてから、より体の周りを自然にバックスイングして、バックスイング時と同じ軌道をダウンスイングでなぞってくるように意識してスイングしてみたのですが、このように意識してバックスイング時の軌道とダウンスイング時の軌道を同じ軌道を通るようにスイングすると、なぜかかえって明確にインに引き込んだバックスイングからトップでループしてアウトサイドからダウンスイングする形の映像結果になるのです。

いくらバックスイングとダウンスイングのヘッドの軌道を同一にしようとしても、というか意識して同一の軌道を通そうとすればするほど、インに引いてアウトから下ろすループ軌道の映像になるのです。これは、理由はわからないが自身の意識や感覚の通りの動きの結果が物理的に得られていないという結論に至り、逆にバックスイングをアウトに上げて、トップでループしてインから下ろすイメージでスイングしてみました。すると、飛球線後方からの映像では上げ下げのヘッド軌道がほぼ同一な軌道を上がって降りてくる、至極自然なスイング結果の映像になるのです。

この結果を得た後に、今年も真夏に高原に旅してゴルフラウンドしてきたのですが、最初のラウンドでは、意識してアウトサイドに上げてトップでループしてインサイドから下ろすスイングをして、二日目のラウンドでは逆にバックスイングとダウンスイングを同じ軌道を通すイメージでラウンドしてみました。すると明らかに2日目のラウンドでは明確にフェアウェイでのショットでアイアンが刺さり、深いターフが取れて、明らかに家で経験したのと同じ現象がスイング時に起こっていることが見込まれる結果になったのです。

明らかに、意識と実際には大きなギャップがあり、バックスイングとダウンスイングを同一軌道を通るような意識でスイングすればするほど、インから上げてトップでループしてアウトサイドから下ろしてくる軌道に実際にはなってしまう。逆にアウトサイドに上げてトップでループしてインサイドから下ろしてくるように意識してスイングすると、ちょうどバックスイングとダウンスイングの軌道が同一になり、行き帰りでループのないスイングになっている。

これは気づいた時にかなり驚きました。自然な良いスイングをしようという意識自体がミスショットの原因になっている。アウトサイドインのカットにヘッドが入る傾向だと、アイアンでヘッドが厚く入るのも薄く入るのも紙一重なので、その誤差で距離が合いにくい。

うまくスイングしようとするのではなく、わざとヘッドが回り道を描くようにアウトサイドからインへのループを描こうとするとヘッドは最短距離の綺麗なワンプレーンの軌道を描くという、ある意味逆説的な結果なのです。これを経験的に思い知った時に、これは世界地図のメルカトル図法みたいだという感想を抱きました。メルカトル図法上では2点間を上に凸になるカーブを描いて繋ぐ回り道が実際の地球上、海上等の航路としては最短距離なのだということとそっくり。

これに気づいてからは、意図的にアウトサイドに上げインサイドから下ろすループスイングのイメージでラウンド中スイングするようになりました。アイアンのターフの量が明らかに減り、平均スコアも明らかに1,2打減ってきています。

現象をきちんと理解、把握した後で考えてみると、バックスイングは右に体を回すので、自分が意図、意識する場所よりも右側を手が通りやすい、ダウンスイングでは逆に体を左に回すので、自分の意識した場所よりも手が左を通りやすい。だから、自分の体を意識して狙った場所を動かそうとする能力が高ければ高い程、ワンプレーンで無駄のない効率的、正確なスイングをしようとすればするほど、クラブは正確にアウトサイドインにボールをヒットするループスイングになり、ヘッドはスティープに刺さり、前後の距離感が合わないという皮肉な結果が得られてしまいます。また、ティーアップするドライバーでトゥヒットしがちなので長年ヒール合わせでアドレスして打っていたのですが、上の現象を理解した後、これが起こるのは当たり前だと思い至りました。ワンプレーンに振ろうとする意識が逆にループスイングを産んでいるので、ヘッドはバックスイングでプレーンの内側に外れ、トップでループしてプレーンの外側に外れ、それをインパクトの一点でプレーンに戻すように打っていたわけです。アイアンや短いクラブはヘッドの最下点の手前で打ち、ドライバー等、ティアップするクラブは最下点を過ぎてからヘッドが上がっている最中にボールに当たるのですから、短いクラブでボールを芯で打ってる時は、ボールの最下点の一瞬手前でヘッドがプレーンの上に戻ってるのですから、同じスイングをすれば、ヘッドが最下点を過ぎて上がりぎわの時は、ヘッドが行き過ぎてプレーンの内側に入り、ヘッドの先、つまりフェースのトゥ側でボールをヒットすることになりやすいということなのだと腑に落としました。結局、良いスイングをしようとする意識が、正確なインパクトができる場所が一点しかないループスイングを呼び、不正確なヒットしかできないスイングでラウンドをする原因になっていたのです。

これは、理解が進んでいないととても厄介な現象です。ゴルフコーチが、インに上げてアウトから下ろすループスイングになっていると指摘しても、本人が上げと下ろしを同一の軌道を通るように意識して振れば振るほど、正確にインに上げアウトから下ろすループスイングになってしまう。指摘された時、極端にやって一瞬治っても、それでは本人はアウトに上げてインから下ろすヘッドが派手な回り道をするループスイングをしている違和感満載のスイングなのですから、時間が経ったらまた自分の体にとって違和感のない、ヘッドが遠まわりの不合理な動きになっていると感じないスイングに戻ってしまうのは普通に起こりやすい現象です。自分の感覚と物理的な結果に一定方向の極端なずれがあること、意図してヘッドを回り道をさせるループスイングを意識して行い続けなくては、意図した最短距離を通るワンプレーンスイングは達成できないのだと心から理解しておかないとこれは徹底できないし、直らないものだと思います。

そういえば、モーノーマンのいわゆるスイングのキモとして本人が主張する動きで、ダウンスイングでヘッドを体の後ろに倒して下ろしてくるような動きをしきりにする動画があちこちにあるのですが、あの意識でスイングしてはじめて、ヘッド軌道が行きと帰りで同じになるのだと、自身の経験を踏まえやっと理解できました。以前は、モーノーマンがしきりにヘッドを自分の背中側にヘッドを倒したダウンスイングの形を示してこれがマスタームーブだと主張してるのに対して、実際のスイングではそんな動きにはなってないじゃないと納得していませんでした。人間の意識と実際の動きの結果には果てしないギャップがあるのだと、だから意識の方を極端に片側にずらすことではじめて意図する結果が得られるのだということを経験を経てはじめて納得しました。

また、スイングの改善にスマホの動画撮影等の映像を使って、こういう意識でスイングすると、実際にどんなスイングになるか、意識と実際の映像結果にギャップがあるか?そのギャップに片側への偏向があるかないかを検証する事はとても重要だと思い知りました。

スマホで撮影してこういった検証をしていなければ、一生この意識と実際の結果のギャップに気づいていなかったかもしれません。そしてうまくスイングしようと努力すればするほどカット軌道になってアイアンが地面に刺さり距離が合わない現象に苦しみ続けていたかも。

文明の利器の利用と、先入観にとらわれない研究、追求の必要性を強く感じた出来事でした。

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