バブルは毎回違った顔してやってくる

By | 2018年4月15日

標題の言葉が誰の言葉なのかは存じ上げないのですが、誠に本質をよく言い表した言葉だと思います。

これについて、1エントリー書いてみようと思ったのですが、全く同質のテーマで良く出来たサイトがありましたので、まずはそのリンクを貼っておきます。

バブル崩壊の兆候も…素人が楽観視するビットコイン投資の危険性

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ビットコインと仮想通貨が高値に駆け上っていた時に、何度かこんな趣旨のツイートを見かけました。

「年寄りはブロックチェーンの仕組みとか難しいことはもう理解できないのだから、せめて黙ってればいいのに。」

ビットコインをはじめとする仮想通貨に対してバブルと警鐘を鳴らす御仁を揶揄するつぶやきです。

こういったタイムラインを見て、ああこれはまさに「バブルは毎回違った顔してやってくる」だなと感じたのを今でも良く覚えています。これは新手の「今回ばかりは違う」だなと。

ドットコムバブルの時も「インターネットは世界を変える」という、「今回ばかりは違う」の理屈でした。確かにインターネットは世界のあり方を変えましたが、その予感に熱狂しドットコムバブルに踊った方々はみるも無残なバブル崩壊で資産を消しとばしてしまいました。今回は「ブロックチェーンは世界を変える」でしたが、確かにブロックチェーンは世界を変える潜在能力はあるかもしれませんが、だからと言ってブロックチェーンバブルに踊った人が報われるかどうかは全くの別問題です。現存する仮想通貨のたった1つでも、後世で生き残りメジャー通貨になっているかどうかも不明だし、素晴らしいブロックチェーン技術は通貨以外のところで将来は大活躍しているかもしれません。

ドットコムバブルの時は、会社名にドットコムがつけば、株価が瞬時に何倍にも駆け上がり、まだ利益を上げてもないドットコム企業の株が軒並み買い漁られて何十倍にもなりました。今回もブロッックチェーン関連の会社とみれば、どんなに怪しい会社であっても吹き上がるという現象が起こったようです。

バブルはこうやって毎回違うテーマで違う場所に出現し、それに免疫のない人々を巻き込んで、踊った人々の資産を吹き飛ばして行くのだなあと改めて実感します。

個人的には、本源的価値のある資産にしか投資しない方針を貫いており、それで経済的自由を達成して早期リタイアに辿りついていますので、これまでもそうでしたしこれからも本源的価値のない資産には一切投資するつもりがありません。以前も本源的価値については以下のようなエントリーを書いておりますので、以下にリンクを貼っておきます。

新しい投資ビークルが乱立する時代にこそ、本源的価値に注目する

 

株式の本源的価値については、最初にリンクを貼った先のサイト内で十分な説明がされていると思います。将来の株主配当の割引現在価値合計がその株式の本源的価値になるということでこれで全てが言い表されています。

ですが、もう1点、個人的に重要と思う点を追加すると、本源的価値を有する資産はリターンを得るのに市場を介する必要がなくなるということです。言い換えると、本源的価値を有する資産の場合は、気分屋で躁鬱病の市場がつける日々そして瞬間瞬間の寄り付き価格に依存せずに投資リターンを得ることが可能となるということになります。

実際、株式の場合は将来支払い配当の割引現在価値がその株式の本源的価値ですから、ある株式のもつ本源的価値を得たければ、市場で株式を売却するのではなく、その株式をずっと持ち続け、ずっと配当をもらい続ければ良いわけです。また、躁鬱病気質の市場がその株式に対して極端に悲観的な見方をして、その株式の価格を売り叩くとすれば、確固たるビジネスにより健全なプラスのキャッシュフローを産み続ける会社の株式にとってはこれはまたとないリターン増のチャンスになります。その会社はプラスのキャッシュフローを利用して自社株買いを行って流通株式を減らすことができ、減らした分だけ1人1人の残存株主への配当額を増やすことができます。なので、健全なビジネスでしっかりとしたプラスのキャッシュフローのある会社が市場のヒステリーによって売り叩かれると、本源的価値獲得狙いの既存の株主にとっては逆にリターンが急上昇するチャンスになります。逆説的ですが、だからその魅力的な機会に買いが群がり、本源的価値のある会社の株はいったん下がってもすぐに下げ止まるわけです。

これは国債でも事情は似ています。配当と元本償還を待てば、市場を通して売却せずとも投資のリターンを得ることができます。また、しっかりとした世界相手のビジネスができている企業を多数有する国であれば、何らかの理由でその国の通貨が売り込まれたとしても、それによってその国の輸出ビジネスが好調となり、国の法人税収入が増大し、その国の信用力がどんどん回復します。ここでも、理不尽な理由によりその国の通貨が売り込まれても、それ自体がその国が好調に転ずる原動力になります。

本源的価値を有する資産の場合は、市場の躁鬱病気質が仮におかしな市場価格をつけることがあっても、いずれその資産が持つ本源的価値に収斂していくメカニズムが備わっているわけです。

本源的価値のない資産にはこの原理が働きません。市場を介さずに投資リターンを得る手段がなければ、投資のリターンを決めるのは躁鬱病気質な市場のご機嫌次第となります。

私のもう一つの好きな言葉はバフェット氏の「潮が引いた時にはじめて、誰が裸で泳いでいたかがわかる」という言葉です。仮想通貨バブルの波が引いたまさに今、この言葉が示している状況になっているのではないかと思います。

本源的価値のある資産とそうでない資産をきちんと理解し区別することは、資産を作り守っていくためには必須であると思います。様々なバブルを経験し、それをきちんと振り返って乗り越えて行くことで、この学びは得られます。なぜか、何度も市場に捕まってしまって、資産が増えたと思ったらすぐに消し飛んでしまう方は、この点の学びを次回以降に活かせていない可能性大だと思います。

 

 

 

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