30日の日経新聞朝刊に「NISA恒久化検討」の見出しで記事が出ていました。なんでも、今までは2023年で制度が終わることになっていたのが、24年以降も継続的に利用できるようにするとのこと。
これはまた、NISAを利用すべきかどうか悩むことになりそうです。
実は、NISAの口座だけは昨年中に本人分、妻分と作ってはいるのです。でも、これはある意味、制度欠陥なのではないかと私は思っているのですが、1点重大な問題があると認識していて、結局はNISAは口座を作っただけで放置の状態になってしまっています。
この問題点というのが、まあ知っている人にとっては常識的な話ではあると思うのですが、制度終了等でNISA口座から普通の課税口座に移すタイミングで市場が大幅に下落していて含み損の状況だった時に、それ以降はこの株価下落した移管時の価格が将来の売却時の取得価格になって、その後にただ本来の当初購入価格に戻っただけなのに、将来の売却時にその分が利益として課税されてしまう現象が起こり得るというのです。
そもそも早期リタイアの投資資金は非常に長い長期投資で、運用期間途中の売却益に対する非課税のメリットを享受したくて始めるわけではなく、運用期間中の株式資産からの配当金に対する非課税を目当てに始めようとするわけです。それにもかかわらず、5年後とか10年後と言った特定の1時点の株価が下がっていたら、今までの配当金に対する非課税メリットがごっそり飛んでしまって、場合によってはお釣りがきてしまい、NISAなど使用しなければよかったなんて事態も起こり得る仕組みになってしまっています。
正直、5年後、10年後とかの1時点の株価の位置など、長期投資家にとってはどうでも良いことなのに、そう言ったどうでも良いことによって、わざわざNISA口座を増やして管理の手間を増やした労力が、結果、徒労になってしまい、やらなかった方がよかったという損まで起こり得るというのでは、正直やってられません。
国民の長期投資への流れを作るために作った制度で、長期投資家に対して、制度終了時等の一点の株価で運不運を占うような税制優遇の提案をするとか、制度を考えた人間は一体何を考えているのだろうかと頭をかしげてしまいます。そういうコインの表裏のどちらかになるかわからない運不運をできるだけ消すために長期投資を志向しているのに。もう矛盾としか思えません。
ということで、口座を作っては見たものの、これはさすがにアホらしいと思って、NISA口座へ投資ポジションを移すの止めてしまったのです。
でも、この日経の記事の通り、NISAの取り扱いが恒久的になれば、上の問題は消えるはず。そうなると、手間はかかって少額しかメリットはないけれど、労力に対する効果は確実に得られるタイプの選択になると思います。うーん、これは悩みますね。
年末の政府・与党の税制改正議論で細部が詰まるようですから、それまでどうするか悩む事にしましょうか。
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