さて、標題の件ですが、以下の様な記事、事件を目にしながらこのエントリーを書いています。
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最近は、VALUにしろ、ビットコインにしろ、今までの伝統的投資ビークルの範疇を超える様な新しい投資ビークルになるかもしれないものが乱立し始めています。IT系のイノベーションが投資系の分野にも進出し始めている感じです。
こういった、従来の範疇では推し量れない新しい投資対象が現れた時に考えるべきと私が思う1つのポイントについて、このエントリーでは書いてみようと思います。
それは、その投資対象の売却価格の源泉となる本源的価値は何かということです。これが何かによって、何を注視しながらその投資対象にお金を投下し続けるという判断をするかが決まります。
例えば、株式の場合は、将来の投資先の会社が生み出す利益を原資とする株主配当の割引現在価値です。
これがある国の国債の場合は、その国の国民に対する徴税権が、発行した国債の将来支払い原資になります。
株式、国債について、それぞれ資産の価値の裏付けとなる本源的な価値を無視して市場で他者を出し抜いて利益を出すことも、物理的には可能です。
でも、よく考えてください。投資先の会社が生み出す本源的価値に着目して、市場で他者を出し抜くことでではなく、偉大な会社の儲かるビジネスを所有し続けることにより巨大な資産を構築した投資家として有名なのが、バフェット氏。市場で他者を出し抜いて安く仕入れた資産を高く売って成功した投資家の代表の一人はジョージ・ソロス氏。
両者とも偉大な投資家であることは共通ですが、そのアプローチは180度異なります。
伝統的な株式や債券等の資産であれば、本源的価値を支える裏付けがあるので、バフェット氏式のアプローチもジョージ・ソロス氏式のアプローチで投資することも可能です。
でも、例えば、最近台頭してきた、VALUやビットコインといった資産の場合は、どうでしょうか?
VALUの投資先の有名人は、今の取引価格に見合った将来キャッシュフローを投資家に配当等で支払ってくれるでしょうか?ビットコインは、その価値を将来も支えてくれるための誰かからの徴税権を有していたり、昔の通貨の様に金の様な希少金属との交換権を保証してくれたりするでしょうか?
新しい投資対象が現れた時に慎重に検証しなければならないのは、このポイントです。今ついている資産価格に合理的な裏付けがなく、今この価格がついているその理由は今の市場参加者の値付けのみであるとすれば、その資産に投資している時に着目し続けなければならないのは、自分以外の他の全ての市場参加者全体のこの投資資産についての明日、そして将来の認識、評価だけになります。
集団心理の将来方向性を読むのは、とても難しいことです。そういった能力に素晴らしく長けたジョージ・ソロス氏が、そういった投資が全く上手でないバフェット氏の築き上げた資産に遠く及ばないことが何よりもそのことを物語っていると思います。
バフェット氏が市場から利益を上げようとしているのではなく、成功するビジネスのオーナーで居続けていることにより資産を築き上げていることは、氏の「投資した直後に株式市場が5年10年閉鎖したとしても大丈夫と思える先に投資せよ」という趣旨の主張に如実に現れています。
私も、間違いなく本源的価値を支える裏付けのある、伝統的な株式資産に投資することにより、早期リタイアを実現しました。他の市場参加者を出し抜いて、安く仕込んで高く他人に売りつけて利益を上げるのではなく、成功するビジネスを見抜き、その会社の株式を延々と持ち続けることにより、働かなくても一生、生きていけると思えるだけの資産を構築することができました。
新しい投資対象かもしれないものは、これからも筍のように次から次へと生まれては消えて行くと思います。その度に、その資産の価値の裏付けとなる仕組みはあるか、そのようなものが存在せず、時々の市場参加者の指値だけが頼りの資産か?という問いは、新しい資産カテゴリーに直面した時には必ず自身に問う必要があると私は考えます。
私は今、他の市場参加者を出し抜かなければならないシステムトレードのアプローチで昔から投資し続け、VALUを新しい投資先として極めて有望として推奨している投資家を、その間にあっという間に早期リタイアを達成して働かなくても良くなってしまった側から眺めています。バフェット氏側の投資アプローチから見たら、ジョージ・ソロス氏側のアプローチは、全く必要のない完璧さに見えるのです。
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