AppleがARkitのiOS11での導入を発表して、スマートフォン上でのAR機能の充実がにわかに現実味を帯びてきました。これから間も無く導入されるiOS11によりARkit対応となる端末はiPhone6s以降の端末で、諸説ありますが、例えばリンク先のHPではこの初期対応台数を3億8千万台と試算しています。
一瞬にしてAppleが世界最大のARプラットフォームを有する企業に変身します。このあたりの戦略の秀逸さはさすがAppleというべきでしょうか。ARゴーグルのような別の機械ベースのARを指向するスタートアップや同じくスマホベースでの専用機能を備えた高機能機種でのARを指向していたGoogleを置いてけぼりにする一手です。
Googleはたまらず、これまで指向していたTangoによるAR開発を辞めて、Apple類似のARCoreを慌てて発表する始末です。ニュース報道によればGoogleの努力目標ベースで今冬に1億台の対応端末を目指すそうです。その頃、上のリンク先記事ではAppleの対応端末は年末にも5億500万台に到達するらしいですから、当面Appleが世界最大のARプラットフォームであることは動かなそうです。
この展開、Apple PayとGoogle Wallet、Android Payの展開と全く同じです。Appleが出てくるとGoogleはまるで自分たちの最初のやり方のまずさにごめんなさいといっているかのごとくに以前のやり方を捨てて、Apple類似のやり方に改めたサービスを再発表します。
なぜ、いつもこんなことになるのでしょうか?GoogleもAppleも全く同じく非常に頭の良い優れた人材であふれているのだろうに、新サービスの展開となるとなぜこうまでやり方の巧拙に差が出るのでしょうか?不思議です。
よく考えれば、iPhoneとAndroidの関係も上の事例とそっくりですね。最初はAndroid開発は完全にBlackberryのコピー端末指向だったのに、スティーブジョブズのiPhone発表を見てアンディルビンが電撃を受けたように、これではダメだとiPhone類似のタッチパネル最適化OSへと180度開発のかじを切りなおしたのは有名な話です。
時代は繰り返すということでしょうか。初めからだいぶ話が逸れました。以降では、一瞬で出現する巨大なARプラットフォームに私が一番期待することを書きたいと思います。
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ARで実現できることには様々あるものと思いますが、私が最もクリアにイメージできてかつ最も期待するのがやはりゲーム関連です。
振り返ってみればポケモンGoのゲーム界にもたらした影響は甚大でした。私が最もこのゲームで高く評価するのが、ほとんど今までになかった、健康に資するゲームだったことです。ゲームと言えば据え置き端末であれば家に閉じこもることになり、携帯端末でゲームを外に持ち出すとしても、座り込んでゲームに没頭したりして、お世辞にでも健康に良いとは言えない状況が普通でした。しかしながらポケモンGoは、ウォーキングに励みたい中年、老年の方が広く自然にあふれた公園等で健康的に楽しむゲームになり得ていて、ここが今までにない良い点であったと思います。
自分の住む県や近隣の県に、これほどの自然や公園や様々なスポットがあったのかを知るとても良い機会にもなりました。
様々な社会問題も同時に生み出したゲームでもありましたが、健康に悪いだけのゲームではない、別の可能性をゲーム業界に見せてくれました。
このようなポケモンGoの持つ良い点だけを生かし、悪い点をなくしていく工夫をすればARゲームにはさらなる可能性があるのではと個人的に予想しています。
私がクリアにイメージできる、ARプラットフォームが立ち上がったらすぐに作って欲しいものは、ARドラクエ、あるいはARゼルダの伝説といった新種のロールプレイングゲームです。ポケモンGoでは実現できなかった、地面に置いてある宝箱や、公園の芝生に広がる3次元迷路といった表現がARkitでは可能になります。ぜひスクエアエニックスかニンテンドーに頑張っていただいて、車も自転車もおらず安全な公園等に限ってモンスターが出現してレベルアップができ、安全な公園の芝生の平地にのみダンジョンが出現して宝箱を探し、勇者のつるぎを求めてボスキャラを倒す、新しいロールプレイングゲームを開発して欲しいです。
果たしてこんなARゲームを開発してくれる会社は現れるでしょうか?楽しみに観察していこうと思います。
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