このエントリーでは、私がバフェット式の集中投資を成功させるために守ったルールを記載したいと思います。
集中投資を成功させるためには、自身で120%の自信が持てるポジションしか持つべきではないというのが私の考えであることは、既に当ブログの別エントリー内で書いている通りです。
それでは、自身で120%の自信を持つためには、具体的にどのようなプロセスを経てどのような要素を満たすべきなのかという点について私の経験からまとめてみたいと思います。
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私がバフェット式の集中投資を実行する前に行ったプロセスの3つの確認の要素は以下の通りです。
(1)自身の直感として降りてきたものであること
(2)論理的検証を行って、論理的にも正しいと確信できる仮説であること
(3)実際の統計的な検証等を経て、実際に自身が立てた仮説の通りに現実が動いていることの確認ができること
私が行ったバフェット式の集中投資では、この3拍子が完全に揃った場合にのみ、投資ポジションを持つことを自身にルールとして課していました。
この3つの要素について、以下でそれぞれ補足説明をしたいと思います。
まず、(1)について。
自身の人生の中で、重要な決断や発見、以降の自身の運命を分けるような分岐点において、度々ある種の直感が降りてきたのは、当ブログの別エントリーですでに述べてきた通りです。なぜ、そうなるのかについて私は次のように考えています。
自身の頭に直感が降りてくる前には、たいていそのテーマについて意識的、無意識的に何十時間もの思索が頭の中で行われています。その後のふとした瞬間に降りてくる結論には、自身の経験や学び、書籍やその他情報から得られる先人の叡智等の、自身の脳に蓄積されている全ての情報が無意識的に反映されている可能性が高いと思います。あるテーマについて考えに考え抜いたあとで、ふとした瞬間に降りてくる結論には、個人の全能力をフルに利用し尽くした結果の結論であることが往々にしてあるのだと思います。
個人的にはあるとき、このような直感が降りてくる直前に、考えに考え抜いた結果として、たった一晩でウエストがベルトの穴2個分減ったことが実際にあります。その時は自身でもちょっと信じられないことではありましたが、後から思うと、人間は考えに考え抜くとたった一晩でそれだけのエネルギーを消耗し得るということなのだと思います。
それだけのエネルギーを消費して、自身で考えに考え抜いた末に天啓のように降りてきた仮説については、最大限の敬意を持ってその仮説の妥当性について尊重し、検証していく態度を持つことが必要だし、またその価値があるものと思います。
次に(2)について。
たとえ考えに考え抜いた後に直感として自身に降りてきた仮説や論理ではあっても、合理的な推論でその論理の妥当性が証明できないものについては、当然のことながら集中投資をするための仮説として採用すべきではありません。時に世の中には非合理的に思える展開が実際に起こることがあり得るものと思いますが、集中投資をする時に自身の直感だけを信じてその可能性に賭けるのは、単なる自殺行為かと思います。別エントリーで既に述べた通り、投資の場合は何度でもストライクを見送っても良いのですから、勝算が薄い時にあえてスイングする必要はサラサラないのです。120%の自信を持てない限り、すなわち完全な論理的整合性を持つ仮説に出会うまで、何度でも美味しい機会を見送っても良いし、見送るべきです。
(3)について。
これは、(2)と同様です。論理的に100%正しいと思える推論でも、自身の至らなさや見逃し、あるいは1個人には到底見通すことのできない要因によって、その推論が間違いに終わる可能性は多々あるものと思います。なので、論理的推論で正しいと確信できるだけではなく、その推論の通りに世の中が動いている証拠を現実世界の統計結果等として求める態度が必要だと思います。もし自身の仮説や推論が正しければ、世の中はまずこう動き、ある特定の場所のこんな統計にこのような兆候が明確に現れるはずだとか、まずこんな現象が最初に相次ぎ起こるはずだという帰結に関する推論を行い、それが実際に起こっていることを確認する、いわば裏取りの作業です。ここでも投資の場合は、何度ストライクの球を見逃しても良いのだというポイントが重要です。120%の自信が持てるポジションを発見するまで、すなわち実際の統計結果等で自身の仮説の通りに世の中が動いていることをきちんと確認できるまでいつまででも待ち、その条件を満たさない案件はたとえストライクと思えても延々と見逃し続ける態度が、集中投資を行う場合は必要だと思います。
この3つの条件を満たす仮説、推論により、120%の確度を持って起こり得る将来事象であるのに、市場がその可能性を織り込んでおらず、対象株式が恐ろしく割安に放置されている場合に実際の投資行動を起こすわけです。
個人的には、この3拍子が完璧に揃った場合においてのみ、実際の投資を実行するということを厳格に守って、バフェット式集中投資を成功させてきました。これはバフェット氏の自身の本当に得意な分野でのみ勝負し、わからないものには決して手を出さないといった方針と相通ずるものではないかと思います。この態度と真逆の態度を取れば、当然のことながら投資ポジションの優位性は何ら無くなり、投資成果は凡庸あるいは最悪になるものと思います。
このバフェット式集中投資に関する個人的な経験とノウハウに関するまとめが、どなたかの将来の役に立つことを願っています。
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