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コロナ禍でのK値を提唱し、将来予測を外し続ける有名大学教授と株式投資におけるチャーチストとの共通点

さて、大方の巷の予測に反し、北半球の真夏の時期に日本でコロナ感染第2波が来て感染者が急増し、第1波より大きな波になっています。スペインやフランス等で連日3000人規模の感染者が再び発生しているとか再度の行動制限に踏み込んでいる等の国際ニュースも流れており、これは日本だけの傾向ではなく、時期、タイミングの違いあれど、米国、ヨーロッパ等、次々と北半球の各国で再度の感染拡大が起こっているように見えます。

その中で、K値による分析によれば感染は数日中に収まる、4月に緊急事態宣言は必要なかった、今から緊急事態宣言してももう遅いと6月下旬から7月いっぱい言い続けてことごとく外し続けた有名大学教授と、それをもてはやし国の緊急事態宣言が必要なかった可能性を事後検証すべきと主張しつづけてきた地方自治体の知事が、8月に入ってもまだ止まらない日本の感染拡大で恥をかいています。

この手の人種の行動を見ていると、株式投資におけるチャーチストと行動が非常にかぶって見えます。

この両者の何が似ているかといえば、以下の点です。

 

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両者とも、事象の内部構造を完全無視していることです。株式投資におけるチャーチストはチャートの形のみを観測し、それにより将来起こるチャート上の動きを予測します。内部構造を無視しているということは、チャートに同じ形が現れた時には、内部で同じことが起こっていることを暗に仮定していることを意味します。内部で同じことが起こっているから、チャートに同じ形が現れ、将来に同じ結果が現れ、それにより将来予測ができると考えるわけです。

実際は、内部で同じことが起こっていることはだれも保証してくれないし、自分で証明することもできません。違いが1つもないことを証明することは、不存在証明になり、悪魔の証明になってしまいます。でもこれが担保されないと、チャート上で同じサインが出た時、該当企業で同じことが起こっており、将来の株価の動きが同じになることが必然性をもって担保されません。

だから、株式投資におけるチャーチストは過去は見事に説明しきるのに、典型的に将来予測を外し続け、その失敗のたびにダマシにあったと言い訳し続けます。コロナ禍においてK値により将来予測し、見事に外し続ける教授も、やっていることは全く同じように見えます。

この手の教授たちも、コロナにより感染拡大し感染者が発生し、検査により判明する過程と物理的な構造を無視して結果のグラフに曲線を最適適合させて、そのグラフの延長線上のことが将来起こると予測しているだけです。ここでも内部構造を無視して結果のグラフだけを解析し、過去の前回に起こった内部状況や条件、将来の環境や測定、算出、集計方法等、結果に影響するすべてのことが前回と完全に同じであることを暗黙に仮定しています。

やっていることが同じだから、結果も同じこととなり、感染拡大はすぐ収まると言い続けて外し続けるという憂き目に遭うのだと思います。

さらに言うと、本質的に両者が同じだと思うのは、両者とも願望による判断をしているところです。内部構造を全く分析せずに、それにも関わらず結果に影響する内部構造が前回と今回で同じと決めつけるのも、内部構造が異なる部分があったとしてもそれが結果に影響を与えず、前回と同じ結果をもたらすと仮定することにも、検証をしなければ何の根拠もなく、ただの起こってほしい願望でしかありません。

これを証明することは本来構造的に不可能なことなのですから、本気でこの方法で将来予測しようとするならば、ここも前回と同じ、ここも前回と同じ、ここの点は前回と前々回は異なっていたのに同じ結果となり結果に影響を与えなかったと、無限に近い検証をしつづけ、それでもどこまでやっても証明などできず将来予測上存在する不安要因に、まともに断定的な予測などできないはずです。

有名大学の教授が、本質的に怪しい株式投資のチャーチストと同じ行為を臆面もなくやっているということは、少なからず科学者が根拠と証拠に基づいて行動していないこと、そのかわりに偶然と幸運を求める願望に基づく行動を取っていることを意味します。

投資家がこの手の行動を取るとあっという間に資金が失われて退場を余儀なくされてしまいます。

コロナ禍では、権威も学位もかならずしも優位性につながらないこと、だれもが認める権威と学位を持つものが学問とは無縁の根拠のない予想をばらまいていること、それゆえに大事なことはどんな時でも自身で徹底的に内容追及しなければならないこと、それができないときは絶対にお金や大事なものを賭ける行為をしないことの大事さを教えてくれます。

本当に新たな勉強となり、また大事なことを思い出させてくれる毎日です。

 

 

 

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